【土鈴を楽しもう】観光地の土産の小さな民芸品・土鈴についてのお話

日本各地では様々な種類の土鈴が作られています。

数えたことは有りませんが・・・というより数えきれないぐらいの種類、おそらく数千種類はあるのではないでしょうか?。

その土地の名産品や伝説をモチーフにしたもの、可愛らしい動物や干支などをモチーフにした土鈴たちが、観光地のお土産品として販売されていたり、神社の縁起物として授与されていたりしています。

今回は、もっとも身近であり、気取ることのない郷土玩具、土鈴(ドレイ)をテーマに取り上げ、その種類や歴史、楽しみ方等をお話していきます。

土鈴とは

陶土を低温で焼き上げて作られる素焼きの鈴です。ほとんどの場合、彩色され仕上げられます。成型方法も型を用いる場合や手びねりで成形するものなどがあります。

土鈴は大雑把に3つのタイプに分類することができます。

信仰玩具・授与鈴

信仰の対象としての土鈴です。寺社仏閣で縁起物として授与されているものです。「授与鈴」と呼ばれたりもします。

これが江戸時代から続く伝統的な土鈴です。おおむね素朴で、彩色も地味なものが多いのが特徴です。干支などの土鈴も含まれます。

観光地のお土産・創作土鈴

各地の名所や観光地、温泉地でお土産として創作されされたものです。その土地の名産品や伝説を題材にしたもの、その他もろもろで自由な発想でで凝った作りの物や派手な彩色が特徴的なものとなっています。

戦前の趣味家土鈴

戦前の好事家のオリジナル「趣味家土鈴」です。趣味家の道楽とし精巧さや優美を競い合って作られたものだけあって、とても優雅な作品が多くなかなか手に入れづらいアイテムとなっています。また、普通の土鈴とくらべると、えっ!と思うほど小ぶりな物が多いのも特徴のひとつにもなっています。

歴史

江戸時代に魔除けや縁起物として作られたものが現在に続く土鈴の始まりです。
(古代の遺跡からも素焼きの鈴が発掘されることがありますが、それは別物と考えてよいと思います)。

そして昭和初期(戦前)には、好事家の間で「土鈴蒐集のブーム」がありました。趣味家たちは蒐集を競い合う一方で、自分自身でオリジナルの土鈴をつくり趣味家の間で鑑賞したり交換したりして楽しんでいたそうです。

その当時の趣味家が精巧さや優雅さを競い合って作った作品は『趣味家土鈴』と呼ばれ、現代の蒐集家の間でもとりわけ人気があり珍重されています。

また、昭和40年代から50年代頃にかけて、土鈴蒐集の再ブームがありました。この時のブームの立役者は趣味家たちではなく、一般の人々でした。

当時は右肩上がりの経済成長をしていましたので、旅行や観光地巡りを楽しむ人々が急激に増えた時期でもありました。そして、販売価格も手頃であったため、観光土産や記念にと創作土鈴が求められていたようでです。

作品の紹介

戦前の土鈴

順に「住吉ごろごろ煎餅」「住吉踊り」「熱田 髙仙寺 絵馬鈴 ネズミ」です。

戦前の作品は、なかなか入手困難ですが、手に入れる機会も多少はありますので、探してみてください。

そして、手に入れた作品は仕舞い込んでしまうのではなく、暮らしのアクセントとして、さり気なく飾って楽しんでいただければと思います。

達磨の土鈴を3点ほど紹介します。

まずは、山梨県の甲州土鈴です。

こちらのだるまさんには目が入っていませんね。

お願い事でもして目を入れましょう。

なかなか重厚な作りで、クラフト感バッチリです。

愛知県犬山の手招きダルマ。

う~ん、何とも言えない仕草や表情がたまりませんね。

埼玉県川越・喜多院のちっちゃな鈴です。

とてもかわいいですね。

次は前田南強さん(犬山)のたぬき土鈴の紹介です。

正面から見たところ。

かって、犬山市で「前田南強」さんによって作られていたタヌキ土鈴です。

独特の表情がいい味出してますね・・。近年なかなか手に入れることが難しくなってきました。

「南強」の印銘です。

長崎県平戸の鬼洋蝶土鈴。

最後に一風変わった武者絵が描かれた平戸鬼洋蝶(凧)がモチーフとなった土鈴を紹介します。

おおきな目玉の怪物の下に武将が描かれます。渡辺綱の鬼退治を題材にした縁起物(魔除け・開運)だそうです。

この鬼洋蝶ですが表洋蝶、裏洋蝶とがあり、それぞれ武士の子供用、町人の子供用とに分かれていたそうです。そんな鬼洋蝶ですが、土鈴になるとすこし可愛い感じ??もしてきますね。

今回は、土鈴を楽しもう!!観光地の土産の小さな民芸品・土鈴についてのお話でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、別の記事でお会いしましょう。