【アンリ人形】イタリアの南チロル地方の小さな木彫り彫刻アート

今回は、熟練の木彫り職人さんたちの手により、一つ一つ愛情を注がれ生み出される「アンリ人形」。

愛らしく、生き生きとした無邪気な表情やしぐさ、そんな子供たちの姿を表現したイタリアの南チロル地方で作られている、小さなアートドール、『アンリ/ANRI』についてのお話です。

アンリ人形とは

イタリアの最北部、南チロル地方の「サンタ・クリスティーナ」という小さな村で熟練の木彫り職人たちの手によって生み出されている木彫りのドールです。

18世紀初期にこの地に於いて「クリスチャン・トレビンガー」という若い木彫工芸家が作り始めたのが最初といわれています。

初期のころの作品は、そのほとんどがマリア像やキリスト像等の宗教的な彫刻でした。やがて、その芸術性は評判となり、ヨーロッパに広く知れ渡るようになりました。

やがてヨーロッパ各地からの注文も増加していき、この地方の経済を支える工芸品へと成長していきました。

それまでは工芸家個人の個性や感覚で個別に作られていましたが、後に「アントン・リフェーサー」という人物が、共同で製造販売することを計画・考案しました。そして、1912年に設立された会社がイタリアの「アンリ社」です。ちなみに、社名の由来は彼の姓名の頭文字からきているそうです。

特徴

アンリ人形は職人の手によって一つ一つ手作りされるため、多いもので60もの工程を経て完成に至ります。

しかし、一人の職人がすべての工程に携わることはなく、顔なら顔のみ、手なら手のみ、という具合に分業方式を採用しています。それぞれのパートを熟練の職人が専門的に仕上げていくという事になります。

その結果、作品毎に作り手の癖が出ることがなく、バラツキのない質の高い作品が生み出されているのです。

材質

アンリ社の木彫りには、硬くて木目の細かい木材が使用されます。そして、小さな人形にはアルプスカエデ、大きな人形には菩提樹がそれぞれ選ばれています。

それらの木材は、イタリア最北部アルプス山脈でゆっくりと育った樹齢80年以上の木材を厳選し、しかも、ひび割れを防ぐために、樹脂分が少なくなる厳寒に伐採、そして2~3年ほど自然乾燥させて水分を抜くという徹底したこだわりがあるようです。

もう本当に贅沢ですね。世界中にコレクターがいるという事にも納得です。最後にに手元にあるアンリ人形のコレクションを紹介して、今回のお話を終わりにしようと思います。

作品の紹介

アンリ社 サラ・ケイの作品 「女の子と子猫」

こちらの木彫りですが大きさは10センチちょっとと小さいのですが、細部まで細かく丁寧に彫刻されています。女の子の表情や仕草、じゃれあう子猫までもが生き生きとしていますね。ふんわりとしたラインが愛らしいですね。

工房不詳 バラの花束を抱える女の子

バラの花束を大切そうに抱える女の子です。正面から見るとアルプスの少女ハイジみたいです・・・。

何とも言えない、愛らしい表情です。一本の木を彫って作られているのですが、ふっくらと柔らかい感じがしますね。

足元にはねずみとネコちゃんがいます。しかもその顔が人の顔みたいで面白です。猫のしっぽがピンと立っているのが気持ちを表現していますね。

ハンドメイドならではの暖かさがある人形でした。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう。