南部系は岩手県の花巻や盛岡を中心とした地域で作られている系統です。描彩の無い「キナキナ坊」と呼ばれる独特の様式もあります。
今回の記事は南部系の特徴と作品を紹介、そして作者である工人についての情報をまとめました。
南部系こけしの特徴
南部系は、一般的に頭部を胴体にゆるく嵌め込むように取り付けられます。その為、胴体を持って静かに動かすとくらくらと揺れるのが特徴です。
また、肩は丸く胴の括れたモダンな造形も特徴のひとつです。
この南部系では「キナキナ坊」と呼ばれる独特のこけしが作られています。
エンジュや桜、ケヤキ等の有色材を使い、天然の木目を生かした美しい木地玩具です。木の持つ優しさや温もりを楽しめるのが魅力です。
このキナキナ坊は、もともとは無彩色でしたが、後に鳴子系や遠刈田系の影響を受け、彩色が施されたものも作られるようになりました。
- 南部系独特のキナキナ坊がある。
- 頭部と胴体は嵌め込み式でグラグラと動く
- 無彩色の物が多い
- 色々な材が使用されている。天然木の持つ質感を楽しむ事ができる
このキナキナ坊に付きましては別記事を書いていますのでご覧下さいませ。
佐々木覚平工人の作品を紹介します。


次は佐藤忠雄工人による木地玩具の達磨です。

こちらは煤孫盛造工人の作品です。

高橋金三工人による梅吉型です。

南部系こけし工人一覧
- 安保一郎(1891-1961)
- 石井誠朗(1929-2007)
- 佐々木覚平(1933-2007)
- 佐々木与始郎(1886-1951)
- 佐藤英吉(1906-1996)
- 佐藤一夫(1930-2009)
- 佐藤忠雄(1939-)
- 佐藤和子(1946-)
- 煤孫実太郎(1908-1984)
- 煤孫茂吉(1878-1957)
- 煤孫盛造(1950-)
- 高橋金三(1923-2002)
- 田山和泉(1981-)
- 田山和文(1953-)
- 常川新太郎(1907-1981)
- 常川正義(1947-)
- 常川雄三郎(1922-)
- 寺沢七郎(1928-)
- 照井音治(1885-1939)
- 藤井梅吉(1898-1936)
- 藤原政五郎(1883-1947)
- 松田精一(1899-1981)
- 松田弘次(1938-)
- 松田晋(1972-)
- 松本鶴治(1922-)
今回は南部系についての豆情報でした。新たな情報が入り次第加筆していきます。
